インフラエンジニアの年収まとめ!転職やキャリアパスは?
企業において重要な役割を担うシステムの運用や、通信ネットワークの管理など、常に”安定稼働”させる為に欠かせない存在のインフラエンジニア。
ネットワーク上の様々なサービスが快適に使えるのも、インフラエンジニアの隠れた努力と仕事によるものです。
IT業界で働くSEやプログラマも、そんな”縁の下の力持ち”的なインフラエンジニアに興味を持つ人も多いので、今回は以下についてまとめてみました。
● インフラエンジニアの仕事内容とやりがいについて!
● インフラエンジニアの給料や年収まとめ!
● インフラエンジニアへの転職とキャリアパスについて!
● インフラエンジニア求人の探し方について!
もし将来的に転職を考えていて、”インフラエンジニア”に興味があると言う事でしたら、是非参考にしてもらえればと思います。
業界内でも”作業がなくて困る”と言う事がないインフラエンジニアは、今後も更に需要が高くなって行くので、どんな仕事をするのか?
給料はどれぐらい貰えるのか?と言う点は知っておいた方が良いかもしれませんね。
インフラエンジニアの仕事内容や役割は?
インフラエンジニアとはどういったことをする人なのでしょうか?仕事内容や役割をまとめてみました。
インフラとは?
インフラは、インフラストラクチャー(infrastructure)の略で、”基盤・土台・下部構造”といった意味です。
日常生活でのインフラは、生活する上で必要な電気・水道・ガス・道路などを指します。
インフラエンジニアのインフラは、ITのインフラのことで、コンピューターやスマホのアプリが動くために必要なサーバー(情報サービスを提供するコンピューター)や通信ネットワークのことを指します。
インフラエンジニアとは?
ITのインフラである”サーバーやネットワークを設計・構築し、運用・保守していく技術者”がインフラエンジニアです。
インフラエンジニアが構築したものを土台にして、その上に別のエンジニアが具体的なサービスを構築し、ユーザーにサービスを提供します。
インフラエンジニアは、システム全体のことを考えてユーザーがサービスを快適に使えるようにする大事な役割を担います。
そのため、運用してからも、より快適に動作するよう監視し、障害が発生しないようにパフォーマンスを改善することも行います。もし、障害が発生した場合には、迅速な原因究明と処置も行います。
なお、インフラエンジニアは、サーバーを専門にしたサーバーエンジニア、ネットワークを専門にしたネットワークエンジニアに分けているところもあります。
インフラエンジニアの仕事内容
インフラ設計
特定の情報システムが問題なく動作するような基盤を作る挙げる為に、必要となる通信ネットワークやコンピューターの導入や調整などを企画書に落とし込み、基盤作成の為の設計書を作ります。
インフラ構築
設計書の作成が終わった後に、実際にインフラを構築して行きます。
最初に作成した設計書を元に、作業をしていく中で必要となるソフトウェアなどの発注から、機器の組み立てや取りつけ、設定などを行います。
最終的に負荷テスト等を行い、構築したインフラによってシステムが問題なく稼働するか?限界はどれぐらいか?などの確認も行います。
運用・監視・保守・障害対応
設計、構築したインフラを運用し、保守や監視をするのもインフラエンジニアの仕事です。
また障害が発生した時なども素早く復旧作業を行い、修正点などがあればその都度改善していきます。
インフラエンジニアの役割ややりがいは?
システムの基盤を作り、運用するインフラエンジニアは、一見地味な仕事の様に思えてしまいます。
しかし今の時代、システムが一旦止まる事で、その障害の影響は非常に大きく、”障害に強いシステムを作れる唯一の存在”とも言えるのがインフラエンジニアなのです。
システムが止まった時や障害が起きた時などは、確実に周りに頼りにされますし、現代において”止まらない”システムを作れるインフラエンジニアはIT業界でも価値が高く、全ての業務においてやりがいのある仕事と言えます。
インフラエンジニアの給料や年収はどれぐらい?
業界内でも年々技術価値が高まっているインフラエンジニアですが、在平均年収はどれぐらいなのでしょうか?こちらについてもまとめました。
インフラエンジニアの給料や年収まとめ!
IT業界全体の平均年収は?
今回は、≪doda≫の『平均年収ランキング2017』を参考にさせていただきました。
インフラエンジニアが属するIT/通信業界全体の平均年収は「466万円」で、他の業界と比べてもIT/通信業界の年収は高めであることがわかると思います。
以下の表は、全体の年収が高い順に業種を並べ、全体の年収、男女別の年収、年代別の年収をまとめています。
業種 | 全体 | 男性 | 女性 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
総合商社 | 478 | 523 | 386 | 385 | 538 | 636 | 988 |
IT/通信 | 466 | 492 | 395 | 372 | 505 | 621 | 769 |
メーカー | 465 | 498 | 372 | 365 | 479 | 583 | 773 |
メディカル | 453 | 524 | 370 | 352 | 476 | 585 | 794 |
金融 | 450 | 532 | 368 | 368 | 547 | 616 | 737 |
インターネット/広告/メディア | 413 | 447 | 368 | 349 | 453 | 530 | 618 |
建設/プラント/不動産 | 419 | 447 | 345 | 358 | 448 | 517 | 583 |
専門商社 | 406 | 435 | 341 | 341 | 445 | 538 | 641 |
サービス | 379 | 414 | 332 | 323 | 415 | 475 | 528 |
小売/外食 | 359 | 389 | 312 | 310 | 394 | 480 | 529 |
単位:万円
上記は、dodaに登録された約29万人分の20代から50代の正社員の求人情報をもとに算出されているので、特に未経験(他業種)からの転職を考えている場合、在職している業界との相対的な比較として参考になるかと思います。
インフラエンジニアの平均年収は?
同じく、≪doda≫の『平均年収ランキング2017』を参考にさせていただきました。
dodaではインフラエンジニアのカテゴリに、サーバーエンジニア、ネットワークエンジニアが含まれているため、これらが年収の参考になります。
サーバーエンジニアの平均年収は「468万円」、ネットワークエンジニアの平均年収は「460万円」で、他のITエンジニア系(一般のSEやプログラマの「433万円」)の職種と比べて高い給与になっています。
技術系(IT/通信)の職種 | 全体 | 男性 | 女性 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
サーバーエンジニア | 468 | 475 | 406 | 388 | 504 | 575 | 660 |
ネットワークエンジニア | 460 | 471 | 369 | 378 | 504 | 615 | ー |
データベースエンジニア | 451 | 470 | 379 | 382 | 466 | ー | ー |
Webサービスエンジニア | 434 | 447 | 379 | 362 | 495 | 558 | 646 |
SE・プログラマ | 433 | 443 | 394 | 370 | 482 | 550 | 588 |
スマホアプリ・ネイティブアプリ系エンジニア | 418 | 428 | 365 | 371 | 486 | ー | ー |
単位:万円
上記も、dodaに登録された約29万人分の20代から50代の正社員の求人情報をもとに算出されているので、特に他のITエンジニア系からの転職を考えている場合、自身の職種との相対的な比較として参考になるかと思います。
インフラエンジニアの年収をアップさせるには?
資格手当
インフラエンジニアの年収をアップさせる方法として資格手当があります。
企業によって、資格に対する捉え方が違うため資格手当が有る会社と無い会社に大きく分かれています。
転職サイトに登録されている情報を見ていると"資格手当は最大で毎月10万円"や"40種類以上の資格手当有り"といったように資格をより重視する企業も多くあります。
当然、資格がなくても仕事はできますし、スキルや経験があれば収入も多くなっていきますが、逆にスキルや経験が不足していても、資格があればそれだけで年収をアップさせることができます。
下記は、転職サイトから見つけた資格と毎月の手当額の例です。
● LPIC Level2→2万円
● CCNP→2万円
● CCNA→5千円
● Oracleゴールド→2万円
●Oracle シルバー→5千円
インフラエンジニアの企業であっても、SEやプログラマが持つIT系の一般的な資格に対して手当がある企業もあります。
既にIT系の資格を持っていれば資格重視の企業に転職するだけで年収がアップすることも可能です。
下記は、転職サイトから見つけたIT系の資格と毎月の手当額の例です。
● 応用情報技術者試験→2万5千円
● 基本情報技術者試験→8千円
● ITパスポート→8千円
外資系インフラエンジニア
インフラ関連を扱う企業には、グローバルに活動している外資系の企業があります。
国内の企業の年収よりも、外資系の企業の年収の方が平均年収も高めで、年収の上限も高く、中には1000万円や1200万円といったところもあります。
語学スキルがある、または、これから語学スキルを身に着けるのであれば、将来的に高収入である外資系のインフラエンジニアを目指すといいかもしれません。
インフラエンジニアへの転職やキャリアパスは?
インフラエンジニアの仕事内容や役割、そして年収について見ていきましたが、ではどうやったらインフラエンジニアになれるでしょうか?
また、将来キャリアアップを考えたときにどんなキャリアパスがあるでしょうか?
インフラエンジニアへの転職
未経験でもインフラエンジニアになれるのか?
未経験でもインフラエンジニアの募集を行っている企業はたくさんあるため、インフラエンジニアになることができます。
募集を行っている企業の中でも入社後に研修制度が充実しているところは、安心感があります。
『ITIL資格の取得』『CCNA資格の取得』といった、資格取得を目標にした研修が行われるところもあれば、もっと基本的なパソコンの操作から研修を行うところもあります。
※ITIL資格:ITILはInformation Technology Infrastructure Libraryの略で、ITサービスマネジメントに関する基礎知識を保有していることを認定する資格。
※CCNA資格:CCNAはCisco Certified Network Associateの略で、シスコシステムズ社が実施する、ネットワークエンジニアを認定する資格。
なぜ未経験でも募集しているのか?
インフラエンジニアは技術が必要であることは言うまでもありませんが、技術だけでは成り立ちません。
顧客とのやりとりで要望を聞き出したり、どう実現するかをチームで話し合ったり、障害があった場合に状況を伝え合うといった際に、コミュニケーション能力が必要となります。
そのため、企業は未経験でも募集し、技術は後から研修で補うといった形をとっています。
このような事はインフラエンジニアに限らずITエンジニア全般にあることで、大学の専門が文系でも採用している企業が増えています。
インフラエンジニアになるために
先ほど見てきたように未経験でも研修制度が充実している企業はあります。しかし、企業側としては即戦力になる人材を求めているのが本音だと思います。
自ら基本的な知識の勉強をして、資格を取得しておくといったことができると、転職の際のアピールにもなり、転職できる企業の幅も広がります。
転職後の業務への取り組みやすさや成果にも影響してきます。インフラエンジニアはIT系の中でも特に幅広い技術知識が必要な職種です。
余裕をもっておくためにも技術知識の習得を事前に行えると良いです。
また、未経験者がどうしても補えないのが実務経験です。
実務としてはどうしようもありませんが、インフラ構築の経験であれば、”自宅でサーバーを構築してみる”、”構築したサーバーを動かしてみる”といったことが可能です。
自宅でサーバーを構築する方法が書かれたWebサイトや書籍などがあるため、それらを参考にしてみるといいと思います。
実務経験がなくても、実際に動かした経験があることは、企業側への印象が大きく変わってきます。
インフラエンジニアからのキャリアパス
インフラエンジニアからキャリアアップを考えた時にどのようなキャリアパスがあるでしょうか?目指す方向性としては、大きく3つあります。
プロジェクトマネージャー(インフラ)
チームを引っ張って、より大きな仕事をこなしていきたい人には「プロジェクトマネージャー」があります。
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトを統括し、責任者として進捗や品質の管理を行います。
顧客との折衝や多くのエンジニアやチームをまとめる力など、技術よりも人との関わりが多く、よりコミュニケーション力が高い人に向いています。
大きな責任がありますが、プロジェクトをやり終えた後のやりがいが魅力です。
インフラスペシャリスト
インフラのスキルや知識をさらに高めて、技術力で貢献していきたい人には「インフラスペシャリスト」があります。
インフラスペシャリストは、より高度で幅広い技術力を使って、顧客の要望を実現していくインフラエンジニアのスペシャリストです。人との関わりよりも技術が好きな人に向いています。
常に新しい技術動向を吸収していくなど変化の激しいIT業界の情報収集はたいへんですが、幅広い技術によってインフラエンジニアとしての対応力が向上してくのはエンジニアとしてのやりがいの1つです。
ITコンサルタント(インフラ)
豊富な知識や経験を生かし、より大局的な視点でのアドバイザーとして貢献していきたい人には「ITコンサルタント」があります。
ITコンサルタントは、ITインフラに限らず、経営戦略など顧客のニーズや課題に対してアドバイスします。
複数のプロジェクトに関わるため、様々な分野や経営について考えることが長けている人に向いています。
顧客での解決できない難しい課題を考えていくのはたいへんですが、顧客から頼りにされるなど、大きな喜びを感じることができます。
インフラエンジニア求人はどうやって探せば良い?
では、実際にインフラエンジニアへの転職を考えた場合、どのように求人を探すのが効率良く、良い企業に巡り合えるでしょうか?こちらについてもご紹介させて頂きます。
インフラエンジニア求人はどうやって見つけるの?!
インフラエンジニア求人の探し方!
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また、上記の方法であまり求人数が確認出来ない場合は、≪インフラ≫と言うキーワードのみで絞りこむと、より多くの求人を確認する事が出来ます。
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doda | 593件/未公開 | 全国/インフラエンジニア | 全国対応、インフラエンジニアの公開求人数が2番目に多い |
type転職エージェント | 560件/未公開 | 関東/インフラ(ネットワーク/サーバー) |
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正社員だけでなく、派遣やフリーランスなども紹介可能。 |
レバテックキャリア | 54件/未公開 | 関東・関西/インフラエンジニア |
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インフラエンジニアを転職エージェントで探してみると・・・
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また≪インフラ≫と言うキーワードのみで調べると、314件の公開求人と1794件の非公開求人が見つかりましたので、出てきた中から自分が興味のある仕事内容の詳細を見ると、良い転職先も見つかるのではないかと思います。
インフラエンジニアの仕事内容、年収や転職に関して今回は紹介しましたが、IT業界の中でも平均年収は高水準で、今後も需要が高まる職種なので、転職先候補の一つにするには良いかもしれません。
ただ、インフラエンジニアは企業によって捉え方も大きく違う為、実際に転職先を選ぶ際には、じっくりと仕事内容などを確認してからの方が良いかと思います。