ITエンジニアに絶対的に必要な能力や基本的なスキルは!?
ITエンジニアに必要な能力やスキルを想像した時に、まっ先に思い浮かぶのがプログラミングの能力ではないかと思います。当然ITエンジニアが対象とする物はプログラムによって動く物である為、プログラミングは欠かす事ができません。
ですが、だからと言ってプログラミングの能力があれば良いかと言うとそうではありません。プログラミングは最終的にコンピュータにどう動いて欲しいかを伝える手段であり、そもそもどう動けば良いかを考える事ができなければ意味がありません。
では、ITエンンジニアにとって、絶対的に必要な能力は何でしょうか?
私は実際にITエンジニアとしてソフトウェア製作を経験し、『相手の気持ちや考えを理解する能力』が絶対的に必要であると感じています。
本記事では、この『相手の気持ちや考えを理解する能力』が何故必要かについて詳しく説明していきたいと思います。
相手の気持ちや考えを理解する能力が必要な理由 その1
ITエンジニアの仕事は、どんなソフトウェアを作って欲しいかをクライアント(客先)から聞く事から始まります。
クライアントがどんな事を実現したいか、なぜそれを実現したいか、などをヒアリングし、どんなソフトウェアを作たら良いかを考えていきます。
もしクライアントからの要求を理解せずに、もしくは、理解できずにソフトウェアを作ってしまうと、必要とされていないソフトウェアを作る事になり、クライアントの求めている物を提供する事ができません。
クライアントによっては実現したい事やその理由が明確になっている場合もありますが、基本的にはこうして欲しい、ああして欲しいという想いはあって、もなかなか具体的な所まで明確になっていません。
その為、クライアントの立場に立って考えたり、困っている事を聞き出し、クライアントの事をしっかりと理解した上で、本当に欲しい物が何かを明確にする必要があります。
「こんな物を作って欲しいとお願いしたつもりはない」とか、「なぜこんなに費用がかかるんだ」などのお叱りをもらう失敗談を良く耳にしますが、すべては相手の気持ちや考えを理解できていない事が原因です。
相手の気持ちや考えを理解する能力が必要な理由 その2
先ほどは、対クライアントにおいて『相手の気持ちや考えを理解する能力』が必要な理由を紹介しましたが、この能力は、ソフトウェアを作る上で一緒に仕事を行うプロジェクトメンバーにおいても必要となります。
基本的に1人でソフトウェアを完成させる事は稀で、プロジェクトを管理するマネージャやソフトウェア開発を行うチームメンバーなど、複数人で仕事に当たります。
その時、それぞれの人は役割分担されてその役割において責任があります。その中で自分の事だけを考えて仕事を行うとチームとして機能せず、プロジェクトの納期遅れや品質の低下を招きます。
例1:メンバーの気持ちの理解不足
例えば、メンバーを管理する立場にいる人がメンバーに仕事を振った作業の進捗が思わしくない時などに、「とにかく残業してでもやって」とメンバーの責任として作業をさせる事がしばしばあります。
進捗が良くない原因には、もしかしたら既存のプログラムをより良く改善した方が今後の為になるからといった理由で作業量が増えているからかもしれません。
このようなときに冷たい言葉をかけられたら、メンバーのモチベーションが低下し、「より良くしよう」というプラスの行動は無くなっていくでしょう。
この場合、管理する立場にいる人が相手を責めるのではなく、原因となっているものを聞き出した上で、ただ単に力任せで作業するのではなく、他の手段で進捗を回復させる、もしくは、計画を見直すなど柔軟な対応を取るとより良くなります。
例2:管理者の考えの理解不足
また、逆にメンバーが管理する立場にいる人に対して、作業時間の計上や原因分析などの管理する為に必要な作業に文句を付けながら嫌々行っている事もよくあります。
管理する為の作業は、基本的には開発を進めていく上での問題の把握や今後の改善を目的にチームやメンバーの為に行っているはずです(中には適切に利用されない管理作業もありますが)。
さらにその背景には全社的に行っているワークライフバランスの為かもしれませんし、クライアントから要求されている事かもしれません。
管理者の考え(目的)を理解せずに作業を行うと、目的にマッチしない情報の報告などになり、より良い改善がなされなくなるでしょう。
この場合、管理する立場の人が目的を伝える事は当然ではあるのですが、もしその目的や意図を理解できないのであれば、メンバーから話し合いを持ちかけ、お互いの認識を合わせて理解を深めると良くなります。
本記事では、ITエンジニアに絶対的に必要な能力に関してご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
「相手の気持ちや考えを理解する」という行為は、日常的にも友人、恋人、夫婦に対しても必要になってくる事で決して特別な事ではありません。
ただ、ITエンジニアの仕事は規模も大きく、開発に関わる関係者も多い為、より理解し合う事が必要となります。
相手の事を理解し合う事に向き不向きはなく、普段の心がけ次第で磨く事ができますので、もし自分には不足していると思った方は少しでもいいので意識していくと良いと思います。